FAQ(製缶・溶接・切削)
【溶接】について
被覆アーク溶接は、どの程度の風なら欠陥のない溶接部が得られますか?
被覆アーク溶接は、MAG溶接に比べ風に強いと言われており、MAG溶接では風速2.0m/sec付近から窒素の増加による靭性の低下が見られ、2.5m/secになるとX線性能が急激に劣化すると言われている。トーチの種類や風向きにより多少の誤差はあるものの、溶接部に悪影響をもたらす限界風速は、およそ2m/secと言われている。
被覆アーク溶接においては、一般に風速10m/secまで溶接可能であり、低温靭性を要求される場合には、風速4m/sec付近からMnの減少や窒素の増加による靭性低下が見られ、溶接作業性が劣化する可能性が高い。被覆アーク溶接の方が、風に対する裕度は大きいが、アーク長が変動することによる影響を加味すると、シールド不足による靭性の低下や欠陥の発生は、更に小さい風速でも起こる可能性があるため、風速が前述の範囲を超える場合はもちろん、範囲内であっても屋外作業や工場内でも風が吹き込む場所においては、適切な防風対策が必要になる。